第17話『ドグラマンション』 地図に書かれていた場所は普通のゲーセンだった。 そして、鈴子の指示通りに行動したら不思議な地下へと連れて行かれたのだ。 「なんでゲーセンの地下にこんなデカイ建物があんの?!!」 「そ、そんな…私が以前来た時は、こんな場所はなかったんですわ…」 ドォォンと聳える大きな建物を見上げた。 じっと顔のような部分を見る。 …変なの(禁句 「こりゃ、あきらかに罠だぜコースケ!!キケンだ!引き返すべきだ!!」 にゅっと植木の腕から現れたテンコに鈴子と満月は目を見開く。 必死で言ってるあたりがなんとも可愛い。 「やだよ。オレはロベルトを倒す!!そんで佐野助けて仲間にすんだ!!!」 「ミニテンコさんもカワユイ〜!!」 「一家に一匹欲ーしーいぃーっ!!!」 テンコを頬摺りする鈴子を羨ましそうに横で見る満月。 今からロベルトと戦うというのに緊張感というものが感じられなかった。 だって、可愛いんだもん!!(by鈴子&満月 「よし!いくぞ!!」 テンコとじゃれ合うのはその辺にして、植木はガッと思い切り扉を押した。それを緊張した面持ちで見守る仲間…だが。 「……?おや?」 「どうしたの?」 「押しても引いても開かねーぞ、この扉!!」 ぐぐぐっと押したり引いたりするが扉はビクともしなかった。 満月と犬丸は辺りを見回す 「ザッと見た感じ、入り口らしいのはここだけのようですが…」 「そうだね…」 『ははは!ダメダメ!』 「この声!!」 横の大きな画面にロベルトの顔が映った。5人はぎょっとしてそちらを注目した。 満月はロベルトを見るのは初めてだったので息を呑んだ この人が、最強と謳われたロベルト・ハイドン・・!!! 「ロベルト!!!」 『そのままじゃ中には入れないんだよ、植木くん!僕の下に腕輪があるだろ?それをつけた者でないと、入館できないんだ』 確かに画面の下には沢山の黒い腕輪が嵌められていた。無駄に輝いてるあたりが怪しい(失礼 「なんなんだこの建物は!」 植木の質問に笑顔で答える 『地獄界のアトラクションパーク。”ドグラマンション”っていうんだ!』 「じ、地獄界…!?ドグラマンション!!?」 「も…モグラマンSHOW!!!」 「モグラマン!!?何ソレ!!」 目を輝かせて言う植木に容赦ないツッコミ。 どんな時でもボケる植木とそれにちゃんとツッコむ森を見て満月は笑った。 やっぱり、この2人は変わらないのね…。 『ああ、それとそこの帽子の人と、青髪の女の子・・邪魔だから帰っていいよ。・・ん?キミは能力者だね?』 「!!! ・・・”邪魔”・・ですってぇ・・・?」 「わ、私・・?」 ロベルトの一言に森はふるふると拳を震わせた。 満月は目があったロベルトに自分の事を指差して聞き返す。 森は画面の下にあった怪しく輝いていた腕輪をとり、自分の腕に嵌める。 『うん。キミはひょっとして孤高の戦姫さん?』 「う、うん・・っ」 『じゃあ今回だけは特別にキミも招待するよ』 「あ、ありがとう・・」 意外な言葉に拍子抜けする満月に対し、森はついに我慢出来なくなったのか叫んだ 「あんた一体何様なのよ!(無視しやがって・・!)・・ここまで来て引き返すような女じゃないわよ!私は!!! 行くわよみんな!!!マジあいつぶっ殺してよね!!」 そう言うと1人で扉の向こうに行ってしまった。それを唖然と見つめる私達。 「・・・・こわ・・」 植木君が呟いたのを最後に私達はあいちゃん同様扉の中へと入っていった。 『ストップ。そこの部屋に入って。ここがドグラマンションのメインルーム・・スロットの間!!!』 「!!!」 階段を上り進むとそこは奇妙な空間だった。4匹の生き物が聳え立っている。 その内の口が開いた生き物の1つに私達が立っている。口が開いているのは今立っている生き物も含め2つで向かえ側が口を開いている。横にある2匹は口を閉じている。そしてそのうちの1つにまたロベルトが写った。 な・・・なんだこの部屋は・・!!? 『早速ゲームの説明にうつらせてもらうよ!』 「ゲーム!?」 『キミら5人は、特殊なフィールドで僕の用意した5人と戦ってもらう!5戦して先に3勝した方の勝ちだよ!』 これから行われるルールについて説明がされた。満月と鈴子、植木はうんうんと頷いているが森と犬丸はロベルトの言った事に驚いた。 「5人・・ってちょい待ち!!!私も入ってんの!!?」 『うん。だって”腕輪”つけちゃっただろ?』 悪怯れた素振りも見せず平然とロベルトは言った。 『腕輪をつけた時点でゲーム参加決定なんだよ。あ、今更逃げても無駄だよ?その腕輪には、地獄界の怪物も一発で死ぬ毒針がしこんであるんだ』 「何だって!!?」 『参加を断ったり、チームがこのゲームで負けたらその毒針でキミはあの世行きさ!』 こ、これじゃ、あいちゃんが不利だっ!!それにルールで能力者への攻撃を禁じられている犬丸さんだって・・。 ぐっと拳を握り締めロベルトを見た。鈴子も植木も同様に見る。 「卑怯だぞロベルト!!」 『彼女が勝手に腕輪をつけたのが悪いのさ。さて、ここからがこのゲームのミソだ!』 『左側を見てごらん!あれが「スロット」だ!!これで決めるのは三つ…。「キミら側の選手」「僕ら側の選手」、そして「戦うフィールド」だよ!』 ガコンっという音がしたかと思うと植木の前にスロットが出てきた。 『スロットは原則として、勝った方のチームがやることができる。キミらの目の前にあるそのボタンでね』 「死んだ・・・私、死んだ・・・」 「あ、あいちゃん!」 「い、犬丸さん!どうしよう、あいちゃんが死んだら・・私、私・・っ!」 「うわっ!満月さん。落ち着いて、落ち着いて!!」 ぱたりと倒れた森を宥める鈴子と涙目で訴える満月を宥める犬丸。唯一会話をしているのは植木だけだった。 「なんでこんなことすんだお前!!」 『なんで?そんなの決まってるじゃないか・・・・楽しいからだよ。だってコレは”ゲーム” なんだから!!』 「・・!!人の命を弄んどいて・・・なにがゲームだ!!」 『ハハハ。なら、キミらが勝ったら一つなんでも言う事を聞いてあげるよ!勝ったらねv』 満月は何とか立ち直り、ぽんっと森の肩を叩く。森はそろそろと顔を上げると笑顔の満月と目が合った。 「大丈夫だよ、あいちゃん。植木君がついてる。絶対負けないよ!」 「! ・・・・そうよね。うん、そうよねっ!!」 森も笑顔で満月を見た。それを至近距離で見た満月はもう耐え切れなくて思わず抱きついた 「あぁーっ!!もう!可愛いよ、可愛いよ、あいちゃん!!(悦」 「えっ・・えっ・・!?」 「絶対あいちゃんは私が守るからねぇぇっ!!!!」 ぎゅぅっと抱きしめて離す気配が無い満月をそのままにして話は進んでいた。 こうなった彼女はもう誰も止められない。それは周りがよく熟知しているからである(皆さん短期間で学習しました!<笑 『それじゃ早速始めようか!正面の5人がキミらの相手だよ!』 「!!」 正面の生き物の口から満月達同様に現れた5人。その中には見知った人物が2人。 清一郎と、紫水だ――――。 満月は紫水の姿を確認すると息を呑んだ。紫水も満月に気づいたのかこちらを見てニヤリと口の端をあげる。 紫水――――っ!!! 「待ちくたびれたべなロベルトよぉ!!おぉ!?女の子が3人もいんべな―――!!」 上半身が裸で何とも言えないシャツを着た外国人。 そいつが喋るまでぎゅっと無意識に拳を握っていた事に気づかなかった。慌てて手を解く。 彼はうひょーと言いながら満月、森、鈴子を不快な目で見てきた。満月はピクリと眉をつり上げた。 「ん?1人は髪みじけーけど鈴子か?と、横に居るのは『孤高の戦姫』か?」 「ちょっと、アンターーっ!!!」 「オレのことか?」 じろじろと見てくる外国人に嫌気がさし、鈴子と森を外国人から隠すように両手をバッと広げて前に出る。自分の事を指差してこちらを見るカルパッチョに笑顔で言い放った。 「変な目で私の(所有物宣言…!)鈴子とあいちゃん見ないでよっ!!汚れるでしょー!?こんの、ヘンテコリン!! あ!!あと、もし。もぉぉーーーっし!!鈴子とあいちゃんと戦う事になったら私が容赦しないからねっ!掠り傷一つでも作ってみなさい?!アンタの髪の毛無いと思え(何で」 「・・・・」 「コラー!ちょっと!聞いてんの!?」 すっかり無言になってしまったカルパッチョを不審に思いつつも罵声は止めなかった(酷 そんな満月を『あぁ、またか・・』と佐野は呆れた表情を浮かべて思っていた。 その表情はカルパッチョが丁度いたため、隠れて見えなかったが。 「・・・素敵だべ・・・(ぽつり」 「は?」 え。何か凄く嫌な予感がするんですが・・・。き、気のせいよねっ!!?(汗 「気に入った!!惚れたべ『孤高の戦姫』!!オレにそんな言い草できんのオメーしかいないべ!!」 「はぁっ!!!?」 「この勝負オレが勝ったら『孤高の戦姫』!!オメエはオレの女だっ!!」 「何でそうなるぅぅっ!!!?ってかイヤーーーー!!!!(退」 うっとりとしたような目で見られて満月はゾゾゾっと寒気がした。 咄嗟に近くにいた犬丸の後ろに隠れる。巻き添えを喰らった犬丸は熱っぽいカルパッチョの視線を直にうけ悪寒が走った。 哀れ、ワンコ(合掌 怯える満月と熱っぽい視線のカルパッチョに板挟み状態の犬丸を哀れみの目で見る森。 しかし関わりたくないのが正直なところだったので見ている事しかできない。 頑張って、犬丸…(ホロリ そんな中、植木は鈴子にその外国人について聞いていた。 「鈴子……誰だ。あのエラソーな外国人。ついでに変なやつ。満月に惚れたのか?」 「十団参謀司令官のカルパッチョですわ。満月に手だしたら許しませんよ、ゴルァvですわv…ごほんっ。まぁ、それはさておき。十団を直接指揮したり、メンバーの補充をするのがあいつですわ。後ろの3人もおそらくカルパッチョのスカウトしてきた十団新メンバー!!」 キッとカルパッチョを見て鈴子は言った。 その言葉に頷きながらも途中で呟いた言葉がとても気になった植木だった。 「つまりカルパッチョを倒さない限り、十団は無くならない!」 「!!!」 「おそらく佐野くんはカルパッチョに何か弱みを握られてる。佐野くんはいつも十団とは別の指令をうけてたみたいだし・・・」 「なーんだ。だったらあのカルパッチョって奴を倒せばいいじゃん!わかりやすいな。」 「!!!」 「そ、そうよっ!植木君!!さっさと倒しちゃおうよ!じゃ、じゃないと貞操の危機がぁぁっ!!!(震」 ガクガクと震えながら犬丸にしがみ付きながら満月は言った。植木は、あぁっ!、と頷く。それにほっとしたように満月も笑う。 「大丈夫ですわ、満月。もしカルパッチョが何かしてきたら穴と言う穴にビーズを全て詰め込んで容赦なく爆発させてやりますわv」 そ、それは、頼もしい事で…(冷や汗 というか、いつから鈴子はこんなキャラに…? 安心させるように満月の肩に手をおき微笑む鈴子に少なからず恐怖を覚えた。 『それじゃあゲームを始めるよ!最初のスロットはゲストの植木くん達にやらせてあげる!レバーを引けば、スロットは回転するから!!』 「これか?」 ガコッと音が鳴るとロベルトの正面にある最後の生き物の目が回転し始めた。 その時もずっと満月は犬丸にしがみ付いている。 それは絶えずカルパッチョからの熱い視線が感じるからだ(嫌だぁぁっ!!鳥肌たつ!!<泣 『左端のボタンでキミ達の選手を決める!!』 「とぉ!!」 ガシャン!! 植木耕助 「!! オレだ!!」 「私じゃなかった・・」 「よ、良かったね。あいちゃん!!」 「うんっ。・・・・満月ちゃんも災難だね・・」 笑顔だがどこか引き攣っている満月を見て森は同情した。 そして、ちらっとカルパッチョを見てみると、コチラに向かってウインクしていた 森は光の速さで視線を戻した。 『右端のボタンで相手チームの選手を決める!』 「おりゃ!!」 ガシャ! ユンパオ 「あ、ボク?」 先ほどからお菓子を頬張っていたちょっとぽっちゃり系の少年が言った。 そしてフィールドを決めるボタンを押そうとした時、彼は目の色を変えて叫んだ 「ケーキーーーーー!!!!!」 「!!?」 ポチッ ガシャン―― 植木は驚いて咄嗟にボタンを押してしまった。 全てのスロットが揃った。皆はそれに注目する 「け・・ケーキフィールド!!?」 『3つ決まったらそのフィールドにワープ!』 「へ?」 「きゃっ」 「やったーーー!願い通じたーー!!」 「偶然とはいえ、おめえのケーキへの執念はスゲーな・・・」 そして移動したのは大きなケーキがある上。しかしケーキの上にいるのはユンパオと植木だけ。 他の人は別の場所から観戦出来るようになっていた。 「なんなのココは!!」 「どうやら選手以外は手出しできないようですね・・・」 森がドンドンと透明なガラスをたたく。犬丸もそれに手をあてて出られない事を確認する。 満月は心配そうに植木を見ていた。 植木君・・頑張って・・・。 私、カルパッチョとだけは戦いたくないからっ!!!(真剣 『ゲームスタート!!!』 続 …カルパッチョファンの方、すいませんっ!!(土下座 なんか変態ちっくなカルパッチョですいませぇぇぇんっ!!(頭がのめり込むくらいの土下座で さ、最初はロベルト様様を…っと思ってたんですが(笑) 女の子好きなカルパがいたもんで、ついつい…。 植木君、あいちゃん、鈴子ちゃんの3人の戦いは全て書けないので(書ける気がしないorz) なるべく簡単にしようと思っています。満月さんの戦いが多分大変だと思うので; それでは、念願のドグラマンション。頑張って書き上げます…!(難関は一番最後… 2005.9.13 [忍] アクセスログ解析 [PR] 忍者ツールズ [PR] アンケートで車や海外旅行 [忍] 只今オンライン
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